基幹システムの現状の問題点と原因  -  必要な対策と根本的な解決策

基幹システム - 現状の問題点と原因

自社開発した基幹システムを長年使い続けた結果、システムが肥大化/複雑化し、開発した技術者の退職などでシステムがブラックボックス化する、いわゆる 「レガシーシステム」 問題が、多くの企業の成長の足かせになっている。

レガシーシステムを使い続ければ使い続けるほど、経営レベルでのリスクは高くなる。それにもかかわらず、システム部門の責任者は、リスクを避けるための投資の必要性を経営者に納得されられないので、経営レベルでのリスクが先送りされている。

一方で、レガシーシステムの弊害を解消するために、高額な投資をしてERP(統合基幹業務システム)を導入しても、ERPを経営に効果的に活用できている企業は極めて少ない。無駄のない業務プロセスをゼロベースで構築できる ERPに高額な投資をしても、大半の企業で所期の目的が達成できていない。

所期の目的が達成できていない原因は、導入を支援したERPコンサルタントが ERPの導入方法論、言い換えれば、無駄のない業務プロセスをゼロベースで構築する手法を知らなかったり、現場部門の要求を受け入れてERPのソースコードを変更したり、不要な(無駄な)ソフトの追加開発を行ってしまうことに原因がある。

皮肉なことに、ほとんどのERP導入企業では、時間が経つにつれて導入したERP自体がブラックボックス化している。そんな状況でも、稼働しているERPを使い続けるには、高額なライセンス費を毎年払い続けざるを得ない。

かといって、稼働しているERPへの対策を講じようにも、難易度が高い仕事を推進できる社内人材はいない。SAP ERPが稼働している企業は、SAP 2027年問題 も悩みの種だ。

これが、企業経営の要である「基幹システム」で起きている “現実” だ。

基幹システム - 必要な対策

基幹システムに関わる問題を解決するには、システム部門の責任者は、どうすればいいのだろうか。

「レガシーシステム」問題で困っているシステム部門の責任者は、レガシーシステムの経営レベルでのリスクとその解決策を、経営者が納得するまで、繰り返し繰り返し熱心に説明する必要がある。そこまでできる人材は、システム部門の責任者しかいないからだ。説明責任は、システム部門の責任者の義務だ。

経営者から導入したERPの価値を認めてもらえず、毎年のライセンス予算の確保に苦労しているシステム部門の責任者は、なぜ自分が率先して問題の解決に取り組めないのか自問自答する必要がある。

ERPベンダーのERPコンサルタントは、ERPの導入方法論 をなんとしても習得する必要がある。基幹システムをERPで再構築することで ゼロベースでの業務改革が実現することを、クライアント先のプロジェクトリーダーが納得するまで説明できるスキルと熱意が必要だ。

基幹システム - 根本的な解決策

それでは、レガシー問題とERP問題を同時に解決できる根本的な解決策をご紹介する。わかってしまえば当たり前のことで、コロンブスの卵だ。

それは、ERPを失敗せずに導入して経営に効果的に活用できる人材、ERPに精通した社内人材を養成すること だ。

ちなみに、私がこの根本的な解決策に気づくことができたのは、ユーザー企業のERPによる基幹システムの再構築プロジェクトを支援するという仕事は、同じ時期には1社しか引き受けられないという長年のジレンマを、どうにかしたいという思いから導き出した結論だ。人間に例えれば、外科手術で心臓を取り替える執刀医に相当する仕事は、同時に2社は引き受けられないのと同じ理屈だ。

ユーザー企業にとって、システムの再構築に失敗すると高額な投資が無駄になるだけでなく、その間に費やした社員の膨大な工数や熱意がすべて無駄になるからだ。

ユーザー企業の場合、ERPの導入を推進するリーダーには、どうしても避けられない前提条件がある。それは、簿記を理解していることだ。日商簿記2級レベルの理解が、どうしても必要だ。システム部門の責任者が簿記を理解していない場合、いわゆる IT(情報技術)にだけ詳しい場合、ERP導入のプロジェクトリーダーとしての役割は果たせない。

基幹システムの問題解決 - 行動すれば次の現実

現状の問題点と原因、必要な対策、その問題の根本的な解決策を知っても、実際に行動するかどうかが、問題の解決に向けた方向に舵を切れるかどうかを左右する

また、ノウハウは、頭で理解しただけでは単なる知識に過ぎない。学んだ価値あるノウハウは、実際のプロジェクトで使ってみて、初めて身に付けることができる

私が渾身の思いを込めて製作した『ERP管理者 養成講座』講座1は無料) を受講して、実際のプロジェクトで活用して、真剣に学んだノウハウがどれほど役に立つのか、その価値を実感していただきたい。

その結果、直面している経営レベルでの問題を解決できれば、あなたの社内での存在感は、相当高まるはずだ。また、社会での存在価値も高まる ことになる。なぜなら、ERPに精通した人材がいるユーザー企業は、極めて少ないからだ。

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