2009年1月14日の日経新聞に、ERPとSaaSの記事が載っていた。

とてもわかりやすく書いてあった。

<< 日経新聞の記事の要約 >>

● 業務プロセスをユーザー企業自らが定義・作成する

● 業務プロセスに合わせてシステムを組み立てるため
  自社業務に適応したプロセスを実現でき、追加開発が減る

● 事業環境の変化に対応した業務システムを構築できる

上記の記事は、ERPに対してSaaSが優位な点として書かれている。

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● 業務プロセスをユーザー自らが定義・作成できるのだろうか...
具体的に、どの部門の方が音頭を取るのだろうか...

  販売部門の方? 購買部門の方? 製造部門の方? 経理部門?
  人事部門?  ありえない...

   IT部門の方?  会計と生産管理の両方の業務知識を持っていれば...

   ● 自社の部門横断の業務プロセスに最適なサービスの組み合わせを
      たくさんの組み合わせの中から、どうやって選ぶのだろうか...

   ある業務プロセスが、5通りの機能から構成されているとする。
   また、1つの業務プロセスを選択するのに10通り選択できるとする。
  
   何通りの組み合わせが、あるのだろう...

      10 * 10 * 10 * 10 * 10...

   この中から自社に最適なサービスの組み合わせを選べる方は、神様しか...

   ● 自社の業務プロセスに合わせてシステムを組み立てるのであれば、
      部門横断での業務改革は、どうなるのだろうか...

   そもそもERPは、必要最低限の(無駄をそぎ落とした)機能だけで成り立っている。

   逆に、広くビジネスに役立つ機能(例:与信管理)を含んでいる。

   つまり、ERPの業務プロセスは、過不足がない機能の集まりなのだ。

   そのメリットを生かすのではなく、自社の業務プロセスを温存する...

   この考え方は、私の見識では、到底理解できない...

   ● 複数のサービスを組み合わせた場合、サービスを提供する業者に支払うライセンス料金は...

      まさか1社へのライセンス料で済んでいたのが、5社に必要になる?

   ● SAP、富士通、セールスフォースが提供する各々のSaaSサービスを、連携できる?

      自社の利害を超越して社会貢献だけを目指すのなら、ありえるのかもしれない...

   ● 事業環境の変化に対応した業務システムを構築したら、トラブった時、

     どのSaaS業者が、トラブル対応の音頭を取るのだろうか...

   SaaSへの素朴な疑問は、つきない。    

   SaaS礼賛者の反論を、待ちたい。

-追伸-

   NetSuiteなどのERP製品は、SaaSではない。

   なぜなら、複数の企業が、協調してサービスを提供する仕組みではないからだ。

   SaaSでもPaaSでもなく、IaaS( ≒ ホスティングサービス)だ。

   アリババのタオパオが開発したWebサービスは、EDI向けの400の業務プロセスの各々の業務プロセスを提供できるベンダーを選出して、サービスとして提供しているようだ。

   相当の年月とエネルギーを費やして完成に至ったようだ。

   プラットフォーム(面)になるには、卓越した努力が必要だ。感服する。