まず、弊社オリジナルの 『ERP管理者に必要な7つのスキル』 を説明する。
- 会計、販売管理、購買管理、在庫管理、生産管理などの業務知識
ユーザー部門の責任者と専門用語を使って議論できるくらいの理解が必要だ。 - 情報ネットワーク、データベースなど、IT全般の技術知識/経験
不具合が生じたときに的確な判断ができるだけの数々の実体験が不可欠だ。 - 全社的なプロジェクト推進体制の構築能力、強力なリーダーシップ
IT部門の責任者の方であれば、大丈夫のはずだ。 - 経営トップや現場のキーパーソンとの緊密なコミュニケーション能力
IT部門の責任者の方であれば、大丈夫のはずだ。 - 現状の業務分析、業務システムの再構築に不可欠な業務改革/部門間の調整能力
業務改革を推進できないと導入したERPを効果的に活用することができない。 - 予算と実績の差異を管理して予算内に抑えようとするコスト意識
前提として、財務諸表の見方や投資効果の算出方法への理解が必要になる。 - ERPによるシステムの導入方法論(メソドロジー)に関する深い理解
ERPを本番稼動させるまでの間に、なんとしても理解する必要がある。
ERP書籍、ERP関連のセミナーや研修、インターネットで公開しているコンテンツを含めて、ERP管理者に必須で実践的なスキルを書いているサイトであることが、納得できたはずだ。
なぜなら、ERP管理者に必要なスキルを体系化するには、ERP管理者としての豊富な実体験が必要だからだ。
7つに整理したスキルの広さと深さからして、ERPを導入して管理するという仕事の大変さの一端を理解できたはずだ。
ところで、大半のERPコンサルタントが身につけているスキルは、7と1の一部だけだ。
7の導入方法論は、ERP導入コンサルタントの付加価値そのものなので当然と言えるが、現実には、大半のERPコンサルタントは、ERPの導入方法論を実践できていない。
1の業務知識については、会計と生産管理両方の業務知識があるコンサルタントは、ほとんどいない。これは、企業内でも同じことが言える。標準原価計算とMRPのロジックの両方を体系的に説明できる方はいない。しかし、製造業のERP管理者には、どちらも必要になる。経理部長の要望を理解する時に。製造部長が困っていることを理解する時に。
ERPは、IT(情報技術)の塊だ。なので、ERP管理者にはIT全般への見識は必須だ。
IT全般への見識がないと、ERPの導入や活用を推進するとき、ITに関わる意思決定が間違ってしまうからだ。その結果、ERPを本番稼動させた時に、ERPからの応答速度などに不具合が発生するかもことになる。業務改革の案を考える時に、ITを活用した便利な方法を考えることができない。
ところで、初めてERPを導入する企業のERP導入推進者がカバーできていないスキルが、7のERP導入方法論だ。
なので、どうしても、弊社(iTMC)のような社外のERP導入・活用の専門家からの支援が必要になるわけだ。これは、欧米のユーザー企業では、当たり前の考え方だ。
尚、連結財務諸表の作成が必要な企業のERP管理者には、ビジネス英語力(TOEIC 730点以上)も必要になる。IFRS強制適用への対応が必要になるからだ。
ERP管理者が、導入したERPを経営に効果的に活用するには、これほどのスキルが必要なのだ。
スキルの他にマインドも必要だ。的確な判断力、迅速な決断力、関係者を巻き込む熱意、責任を取る勇気、などだ。
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